『老舗書店「有隣堂」が作る企業YouTubeの世界』

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有隣堂は、横浜出身者にはなじみ深い本屋で、ぼくも幼い頃からずっとお世話になってきた。ところが、最近は紙の本から遠ざかって、お金を落とさなくなっていた。そんななか、たまたまみてみた有隣堂のYouTube『有隣堂しか知らない世界』がおもしろくて一気にはまってしまった。企業YouTubeチャンネルとしては異色のチャンネルがどういう経緯でうまれどういう人たちが関わっているのか気になっていたところ、折も折2月末にこのチャンネルに関する書籍が発売されたというので読みたくなった。電子書籍でなく有隣堂で買うべきだろうということで超久々に紙の本で購入したのだった。

現時点で登録者数20万。3年前の社長の天のひと声からそこに至るまでは紆余曲折や試行錯誤があったようだ。いまは確信的にエンタメに振り切っているように見えるが、それも試行錯誤と偶然のなかからうまれたものらしい。今のフォーマットの初回であるキムワイプの回で、キムワイプを有隣堂で扱ってないことがわかったのが撮影中のMCブッコローの何気ない質問からだったというのがおもしろい。販売してないものを扱っていいのか問題になったそうだけど、それにゴーサインを出したことで、チャンネルの今がある気がする。

出演する人たちへのインタビューも掲載されていて、けっこう複雑な思いがあってやっていることが浮かび上がってくる。単なる成功事例の紹介に留まらず、チャンネルファンの好奇心を満足させてくれる本だと思う。

★★★