円城塔『Boy's Surface』
4編からなる短編集。
円城塔は2冊目だが、作風を非常におおざっぱにたとえさせてもらうと、グレッグ・イーガンと高橋源一郎とルイス・キャロル(とあと小説家じゃないけどダグラス・ホフスタッターの名前もあげておこうか)を足しあわせたものを、レフラー球からのぞき込んで変換したという感じだろうか。レフラー球がなんなのかは、表題作の “Boy’s Surface” を参照。
“Boy’s Surface”, “Goldberg Invariant”, “Your Heads Only”, “Gernsback Intersection”. それぞれの物語は、その物語そのものに関する自己言及的な物語になっている。かなり難解だけど、ときおり、腹がよじれるパラドックスや、数学的に美しい恋物語が垣間見える。
ちなみにBoy’s Surfaceは角度によって、人間の耳や、唇が3つ寄せ集まったような形に見える立体だ。Boy’s surface - Wikipedia, the free encyclopediaでアニメーションをみることができる。