二年ぶりに読む伊坂幸太郎。2007年の夏に映画が公開されるそうだ。
ドライでユーモラスな文体に、奇抜なシチュエーションと巧みなストーリー構成。とてもおもしろくて途中からは胸を高鳴らせながら読んだのだけど、読後感はいまひとつだった。
三つの死がとにかく安易すぎる。その上に積み重ねられたセンチメンタルなエンディングを冷めた目でみてしまった。
「犯人」の犯行動機が復讐というのも興ざめだ。ぼくはあらゆる動機の中で復讐が一番きらいなのだ。欲望や打算で犯罪を犯す人間の方が百倍ましだと思っている(もちろんミステリーの中の話)。