2020年3月東京。コロナが発生せずかわりに原爆テロが発生した世界線の物語。 オリンピックを間近に控え、東日本大震災そして原発事故から9年目の、2020年3月。テロリストにより東京都心で核爆弾を爆発させるという予告がされる。プロローグとエピローグをのぞいた本篇は爆破時刻に指定された3月11日午前0時までの5日間の出来事が、テロリスト側、それを追うIAEA、CIA、そして日本警察の動きがそれぞれの視点から順繰りに語られる。 ...
次の東京オリンピックから3年後、2023年が舞台の超近未来小説。日本そして東京は、外国人労働者の受入がスムーズに進み、全体的に軟着陸に成功した感じだ。ただ人々の生活レベルや労働環境は必ずしも改善してはいない。正社員が定時で帰るようになった一方、社員と同等の仕事を低賃金、残業代0、交通費・保険・年金自前という悪条件でフリーランスとして請け負う労働者層が生まれていた。そんな中有明のオリンピック会場跡地に誕生した、俗に東京デュアルと呼ばれる、働きながら学べる巨大な学校が、この小説の舞台であり、ある意味主人公といっていいような存在である。というのは、小説の中で東京デュアルの制度を詳細に紹介し、やがてその問題点が明らかにするという、思考実験のような構成になっているからだ。 ...