三体三部作の完結編読み終えた。間違いなくオールタイムベストに入る作品だ。 本作の主人公は程心という女性。彼女は運命の巡り合わせで、前作で明らかになった黒暗森林という宇宙の弱肉強食の現実の中で人類の生き残りを賭けた選択を何度も担うことになる。その度に彼女は、自らの頼る原理である愛と平...
『三体』の続編。前作で異星文明との接触を果たした人類は同時に侵略の危機にさらされる。侵略者である三体艦隊は400年後に地球に到着する予定なので、余裕があるようにみえるが、「智子」という11次元空間に展開された陽子コンピュータにより、すべての人類の活動は監視され、テクノロジーの進歩...
『折りたたみ北京』に続いてケン・リュウ編による中国SF短編集。今回は14人の作家による16編の作品が収録されている。 以下に作者と収録作のリストを掲げる(『折りたたみ北京』にも収録されている作家には※をつけた)。 夏笳(※)『おやすみなさい、メランコリー』- 鬱病の人の心のケアをするた...
文革の混乱でなにもかも失った女性科学者の物語から始まり、現代の科学者たちの謎の死へと一転する。そして、写真に写り込むカウントダウンの数字と『三体』という謎のVRゲーム。序盤からもう圧巻だが、中盤以降の謎解きパートになっても、アイデアの噴出量が落ちない。圧巻のSFエンターテインメン...
中国系アメリカ人SF作家のケン・リュウが現代中国のSF作家7人の作品12編(とエッセイ3編)を選んで英語に訳したアンソロジー。本書はそれをさらに日本語に訳した重訳だ。そのほか、ケン・リュウによる序文と各作家の紹介がおさめられている。 率直にいって、どれもおもしろい。それも中国ならで...