『日の出』
後半生作曲から手を引いてしまった作曲家というとロッシーニが有名だけど、チャールズ・アイヴズもまた1926年以降1954年に亡くなるまで作曲していない。彼が最後に作曲したといわれているのは Sunrise というピアノ、ヴァイオリン伴奏つきの歌曲だ。半音階的で不安を感じさせるメロディーはまるで一睡もできないままむかえた朝の光のようだ。でも訳してみると静かな希望をたたえた新年にふさわしい歌詞だった。
光が 東の空低くに-
私が横になっている間に光は現れじっとしている-
忘れた、と思っていたが、光はまたやってくる
森の世界が目覚めようとしている
たくさんの葉が淡く光り始める
後になって、起きあがると
光は木々を透かして現れる
そして暗灰色の岩を照らす
心の中の何かもまた照らされる
そして静かな日がやってくる
そして明日、明日-
忘れていた思いのような光がまたやってくる
それとともに新しい日の希望が