チョウバエ

Q

「害虫駆除」のお知らせの中で、ネズミ、ゴキブリ、カという典型的な害虫(ネズミは害虫ではなく害獣だというのはおいておいて)に加えて、「チョウバエ」というきいたことのない名前がありました。これはどんな虫なのでしょう。チョウのようなハエ?

A

広辞苑に載っていないのでマイナーな珍しい虫かと思いきや、googleでイメージ検索をすればわかるように、トイレの近くなどでよく見かける数mm程度の小さな虫です。この虫をチョウバエと呼ぶとははじめて知りました。触覚に毛がはえているところや、とまっているときの羽の形はチョウというよりガに似ていますね。分類学上は双翅目(ハエ目)長角亜目チョウバエ科に属します。双翅目というのはハエやカの仲間が属する分類、そして長角亜目の「長角」というのは触覚が長いという意味で、カに近縁のものが属する分類です。したがってハエというよりはカに近い昆虫です。

幼虫は下水槽や浄化槽で汚物を餌にしているそうなので、衛生上多少問題がありそうですが、人間の食物にひきよせられるわけではないので他のハエ類に比べれば実害はなく、いわゆる不快害虫といってしまっていいようです。ただし、下水の整備にともなって近年増えてきており、食品工場や飲食店などで混入する例があることから、害虫駆除業者のブラックリストに名前があがっているようです。

参考: