宇宙飛行士と魔女
Q
子供の頃の記憶ですが、奥様は魔女のオープニングのアニメ部分で、旦那さんが、むかし宇宙飛行士で、月で、魔女の奥さんを発見した。というようなのは、なかったでしょうか?(ぽーきーさんの質問)
A
おそらく『奥様は魔女』(原題:Bewitched)ではなく、『かわいい魔女ジニー』(原題:I Dream of Jeannie)ではないでしょうか。こちらでアニメをみることができます。
『かわいい魔女ジニー』はアメリカで1965年から1970年まで放映されていました。『奥様は魔女』が1964年から1972年までですから、ほぼ同時期ということになります。プロジュース・脚本として先頃(2007年1月30日)亡くなられたシドニー・シェルダンが参加しています。
宇宙飛行士のトニー・ネルソンは不時着した無人島で奇妙な壺を見つけます。そこから出てきたのはアラビア風の服装をした女性ジニーでした。彼女は2000年も壺の中に閉じこめられていたのです。救い出してくれたお礼にジニーはトニーとともにアメリカに渡り、彼に仕えることにします。ジニーには瞬き一つでものを出現させたり、状況を変えたりする不思議な力がありました。
ジニーは魔女というよりは壺の精霊で、わかりやすくいえばハクション大魔王的存在です。壺の精霊は英語でいうと"genie"で名前の"Jeannie"はそれと同じ発音になっているわけです。タイトルの"I Dream of Jeannie" は、(若干スペルが違いますが)フォスターの名曲『金髪のジェニー』(“Jeanie With the Light Brown Hair”)の歌い出しです(英語の発音では「ジェニー」ではなく「ジニー」の方が近いんですね)。
精霊といいながら、能力的には『奥様は魔女』のサマンサとかと変わらないようです。パクリとはいわないまでも、『奥様は魔女』に強くインスパイアされたのは間違いないところでしょう。そこに当時アポロ計画で注目の職業だった宇宙飛行士をもってくるあたり、節操のなさ感がただよってしまいますが、5年も続き、いまだにシドニー・シェルダンの傑作といわれるところをみると、やはりおもしろい番組だったのでしょう。なんだか、みたくなりました。