ペンギンプルペイルパイルズ『ワンマン・ショー』
作・演出:倉持裕/シアタートップス/指定席3000円/2003-08-16 19:00/★★★
出演:小林高鹿、ぼくもとさきこ、松竹生、伊藤留奈、萩原郁、嶋田健太、山本大介、長田奈麻
最前列の席。開演前に小林高鹿の作・演出で演じられたビッグコミックスピッツの劇CMもテンポがよくてなかなか面白かったが、本編のことを書こう。
きかれてもいない個人情報(寝ている間によだれをたらすなど)まで葉書にせっせと書いている懸賞マニアの男(そうすると当選の確率があがるらしい?)。最初は家族の名前を使うだけだったが、ついには架空の人物までつくりあげている。そんな男と家族や近所の人がおりなすシュールな物語。登場人物のうち一人を残して他の人物が立ち去り、入れ替わりに別の人物が入ってくると場が展開するという手法が斬新でいい。場だけでなく、時間も前後するのだ。最初はばらばらのジグソーパズルの断片が、この一見無秩序な場の連鎖をめぐるうちに明らかになってくる。そういう意味でラストには、すごいと舌を巻いた。惜しむらくはエンターテイメント性が少し弱いという点。途中でちょっと退屈になってしまった。