動物電気『集まれ!夏野菜』

作・演出:政岡泰志/駅前劇場/自2500円/2003-06-05 19:00/★★★

出演:小林健一、辻修、森戸宏明、高橋拓自、伊藤美穂、多田淳之介、石川明子、松下幸史、石崎和也、政岡泰志

「エンゲキ」というより、シティーボーイズ風に「ライブ」と呼んだほうがピンとくる舞台。一応ストーリーはあるものの書割程度のもので、ギャグもひとつひとつをとれば印象に残るようなのはない。暴力的なつっこみと下品な笑いは、まさに昔のドリフターズのコントを髣髴とさせる。

昔、ドリフターズのコントがなぜあんなに面白かったかいうと、見る側が面白いことをしてくれると信じていたからだ。その信頼は演じる側の自信を感じ取ることからくるもので、内容がつまらない場合でも微妙な間、表情、動きを駆使してそれを面白いものに変えることができるという自信が彼らにあったのだ。誰でもそれができるわけじゃなく、役者には高度な身体能力と反射神経が要求される。

政岡泰志、辻修、小林健一の主要な三人以外も、動物電気の役者はみんなそれらの能力を備えた人たちだ。こちらは安心して笑っていられる。それが演技者としての能力の高さだとは思わないけど、でも「笑い」ということに関しては彼らはプロだと思うのだ。