『ヴィラ・グランデ青山 〜返り討ちの日曜日〜』
作・演出:倉持裕/シアタークリエ/指定席8800円/2011-11-12 18:00/★★
出演:竹中直人、生瀬勝久、山田優、田口浩正、谷村美月、松下洸平
なんだか久しぶりのような気がする観劇。竹中直人を舞台でみるのはほんとうに久しぶりだ。髪はなくなったが、しなやかな動きが年齢を感じさせず、結構結構。
青山にある築20年のマンション、ヴィラ・グランデ青山が舞台。そこに住む住人でデザイン事務所を経営する民谷は、3年ぶりに友人で写真家の陣野を呼び寄せる。数日前に自分をナイフで傷つけた娘の元カレに会うことになっているので、それに立ち会ってもらおうとしたのだ。陣野もそのマンションの住人だったが、今は部屋をひとに貸して、ほかの場所に住んでいる。彼らは、そこで陣野の部屋の現在の住人早坂津弓と出会う。彼女はかつてアイドルだったが今はふつうのOLをしていた……。
笑いどころ満点で、とてもよくできたコメディー。とても楽しかったけど、若干物足りなさが残る。まあ、青山に居住するクリエイターたちが主人公という時点で、アクチュアルさを感じられないというのもあるが、倉持裕らしさがあまりなくて、岩松了をミネラルウォーターで希釈したような感じがした。ただ、ラスト間際の管理人が落ちてくるところは奇妙な味を残して。よかった。
もちろん、各公演ごとに客層というものがあって、確かに倉持裕は今回の客層に歓迎されるものを的確につかんでいた。そこはプロだなと思う。でも、もう少しだけ観客を信頼してほしかった。
苦言ばかり書いてしまったけど、とても楽しい舞台だったことにはちがいない。