プリセタ『コミック』
作:倉持裕、演出:世田谷ジェッツ/駅前劇場/自由席3300円/2010-02-19 19:30/★★★
出演:谷川昭一朗、栗田麗、戸田昌宏、野村恵里、関寛之、森川ゆきえ、松永大輔、篠原友希子、富士たくや、福津屋兼蔵、なんきん
倉持裕が脚本を離れてから、どうも日程があわなくて、みにいくことができなかったが、今回は過去の倉持裕脚本作品の再演ということで、万障繰り合わせて、久々のプリセタ。
倉持裕には岩松了の影響を感じるような、人間関係の機微をシニカルに描いた部分と、独自のシュールで残酷なユーモアの両面があるけど、今回は前者の色彩が濃い作品だった。ペン字教室を主宰する妻と、サラリーマンの夫。夫には漫画を描く趣味があったが、本格的に学んでみようと、偶然であった元漫画家に個人教授を依頼する。しかし、彼に一目会った妻は、露骨に彼を嫌うそぶりをみせ、彼はわたしたちを不幸にするという……。
いろいろチープといえばチープ。でも、小劇場演劇ってほんとうはこういうものだったという、原点の楽しさを感じさせてくれる舞台だった。特に、漫画のコマ割を舞台上で表現するところは腹をかかえて笑った。