まつもと市民芸術館プロデュース『チェーホフを待ちながら』

枠物語の構成をとっている。
外側の物語は『ゴドーを待ちながら』のパロディーだ。せっかくゴドーがあらわれたのに人々が待っていたのは彼ではなくチェーホフで、彼はどうにかチェーホフになろうとする。彼は、チェーホフがどういう人かを理解するため学ぼうとする。
内側の物語として、チェーホフの短編戯曲を脚色した4つの作品が繰り広げられる。『熊』『煙草の害について』『結婚申込』『余儀なく悲劇役者』の4作品だ。どれもかなりおもしろおかしい喜劇で、物語の骨格は変わらないが細部はかなり変わっていて、より笑いを強調してわかりやすくなっている。
長野県の松本でかなり時間をとって作られたそうだ。それが反映してか、丁寧にみがきこまれた感じだ。長さもちょうどいい。みたあとほっこり楽しさが残る。
作・演出:土田英生/神奈川芸術劇場大スタジオ/指定席6000円/2025-11-16 13:00/★★★
出演:山内圭哉、千葉雅子、金替康博、新谷真弓、武居卓、土田英生