土田英生セレクション『きゅうりの花』
ぼくが今までみてきた芝居ととても近いところにいたのになぜか観る機会がなかったMONOだが、代表作が再演されるときいて遅まきながら観にいくことにした(ただし今回の公演はMONO名義ではなく客演主体だ)
観光資源も特産物もとくにない過疎の町が舞台。最近復活した青年会は7人だけで、しかもひとりをのぞけば40代以上だ。彼らは町のアピールのため東京でオリジナルのダンスを踊ることになる……。
出演者の実年齢にあわせて舞台上の年齢設定もかえているそうだ。過疎の町から去る人、残り続ける人、新たにやってくる人、それぞれの立場からの思いの交錯を描いた作品だけど、もし年齢設定が十歳若かったら、もっといろいろリアルに切実に感じられたような気がする。アフタートークでいっていたがこの土田英生セレクションでとりあげた作品は以降の再演はしない方針とのこと。
役者陣がよかった。特に雄介を演じた諏訪雅の存在感がすばらしい。ヨーロッパ企画ではがやがやいう人たちのひとりという印象だったけどこの役はまさに適役だった。
作・演出:土田英生/三鷹市芸術文化センター星のホール/自由席3400円/2017-07-29 19:00/★★
出演:内田淳子、加藤啓、金替康博、神田聖司、諏訪雅、千葉雅子、土田英生