『東京』

『東京』

作・演出:赤堀雅秋/赤坂RED/THEATER/指定席4200円/2008-03-22 18:00/★★

出演:いせゆみこ、井筒大介、井端珠里、海老原礼子、粕谷吉洋、木村悟、小林愛、佐藤幾優、佐藤晴彦、清水優、新田めぐみ、野本光一郎、松永裕子、ゆかわたかし、吉牟田眞奈

24歳になっていまだに田舎の海辺の廃屋でつるんでいるかつての高校の同級生たち。その中の3人がそれぞれの夢を追いかけて東京に出て行く。彼らの東京での出会いと挫折、そして残された人々、というような青春群像劇だ。

(野球は全然関係ない芝居だが)あえて野球にたとえると、赤堀雅秋という人は常にストレートで勝負してくるピッチャーだと思う。ストレートのはずなのになぜかホームベース近くで魔球のように変化するのがいいのだ。ただ今回は、その変化が感じられず真ん中高めに真っ正直に入ってしまった感じ。語り手の古川の物語をたどるなら、同級生のキスシーンをみてひきこもりになったのは、つまりワイルドに生きることに対する徹底的な嫌悪感のせいだと思うのだが、結局東京で自らワイルドになってひきこもりが癒されるということで、筋は通っているものの、それは成長というより、なれあいのように思えてしまった。