ペンギンプルペイルパイルズ『ゆらめき』
作・演出:倉持裕/吉祥寺シアター/指定席3800円/2007-10-20 19:00/★★★
出演:坂井真紀、戸田昌宏、玉置孝匡、ぼくもとさきこ、吉川純広、小林高鹿、近藤智行、内田慈
女性調査員が不明者の探索のために訪れたモーテル、熱狂的なカーニバルの真っ最中の辺境の国、地下の坑道など、いつもは非日常的なシチュエーションが多いが、今回は倦怠期をむかえた夫婦の日常が舞台だ。とはいえ、夫婦関係というものはそれ自体謎を含んだものらしく、いつもと変わらずミステリアスな作品だった。
妻が若い男性からつきあっている人はいるかと訊かれ、つきあっている人はいないけど夫がいますと答えた。それをきいた夫は、その若い男と会ってみたいという。若い男は友人を伴って夫婦の家を訪れる。
若い男江尻の友人朝比奈は、日常を壊そうとするトリックスターとしてふるまう。だが、そんな朝比奈の先回りをする形で日常はもうとっくの昔に壊れていて、夫婦はそれぞれの幻想をかかえながら、それを通してお互いを見ようとしているのだった。
倉持裕の緻密なセリフまわしは日常的な場面の方がはえるような気がした。