ポツドール『人間♥失格』

ポツドール『人間♥失格』

作・演出:三浦大輔/三鷹市芸術文化センター星のホール/指定席3300円/2007-07-15 19:30/★★

出演:岩瀬亮、米村亮太朗、古澤裕介、白神未央、深谷由梨香

何かとチェルフィッチュと並び称されることが多いユニットなのでみておこうと思ったのだった。

無気力な25歳ニートの男性のだめだめな一日を描いた作品。テレクラに電話してオナニーしたりだとか(男の汚い尻を生で見させられたのには閉口)、架空請求詐欺にまんまとひっかかったりだとか、友達から借金返済の催促をされたりだとか、身から出た錆のような出来事が立て続けに起こり、そのたびに親に電話して金をせびっている。終盤まで舞台には彼一人だけしか登場せず、会話も電話を通して行われる。いたたまれなくなって別れた彼女に電話すると、だめさが中途半端だとさとされ、太宰治の『人間失格』を読めといわれる……。

しがみつくのが無意味なくらいちっぽけな自尊心と体面にしがみついてしまう主人公のだめさ加減は確かに中途半端だけど、夢のシーンのハードコアなだめさも、(その場面の迫力はすごいけど)ありきたりには違いなくて、結局は朝7時に起きてちゃんとバイトにいくという堅実な生活以外オルタナティブは示されない。なんかふつうだなと思ってしまった。

舞台ではずっとテレビのバラエティー番組が流されていたが、ぼくはバラエティー番組アレルギーなので、部屋からほとんど出ない主人公に代わってぼくがどこかにいきたくなってしまった。