眠れぬ夜には軽く…

今日から会社だというのに眠れなくなってしまったのでいくつか連休中のネタを軽くふってみる。 ブッシュに牛肉食べてますといわれても、「ああ、そのせいで…」と思われて逆効果のような気がする。 ...

侵食

休日出勤の帰り、駅前。 追い抜いていった男性の革靴がきらりと光って、ふだんみることもないレンガ模様の地面が目に入った。そこには1円玉より若干小さな黒い円形。ふと手にとると、イヤフォンを包むパッドだった。そういえば、数日前からiPodのイヤフォンの片側のパッドがはずれてどこかにいってしまっていたのだが、探すことすらしていなかった。ぼくはそれを、白く冷たい貝殻の形をした部分に、すっぽりかぶせた。 ...

学べ、生きろ

「Learn as if you will live forever, Live as if you will die tomorrow.(永遠に生きるかのように学べ。明日死ぬかのように生きろ)」マハトマ・ガンジー ...

M.L.S.

マンハッタンラブストーリー最終回 今シーズン最高の(といってもぼくはこれ以外にトリックしかみていないが)テレビドラマが終わってしまった。視聴率はとれなかったそうだが、さもありなん。誰でもが楽しめる番組ではなかった。でも楽しめた人には際限なく楽しめた番組だと思うし、視聴率ではどうしてもそういうところははかれない。というか視聴率ではかれるのは視聴率であり、それは視聴率以外の何も意味していないのだ。 ...

病みつつ生きる

「重要なのは病から癒えることではなく、病みつつ生きることだ」カミュ 「絶望が虚妄であるのは希望と同様である」ペテーフィ→魯迅 別に「好きな言葉」コレクターというわけではないが、他人の「好きな言葉」というのは結構気になって、注意して読んでしまう。 ...

エピソードリスト

悪魔のような女たち 菊地、弘子とお見合いをするがやんわりとその場で断られる(新高輪プリンスホテル)。 海外に左遷される部下を慰めるため、会社の悪い噂をもらすが、それがひょんなことから専務の耳に入ってしまう。「一生係長に塩漬けだ」といわれた菊地は会社をやめることにする。 ...

一駅歩く

会社の帰り、わざと一駅乗り過ごしてみた。 大森駅から歩き始めたのは午後10時35分。さすがにちょっと怖い時間帯だ。行く手の辻で大柄な若い男が立ちどまっている。ちょうど人通りが絶え、男はぼくに覆いかぶさるように話しかけてくる。 ...

名セリフ集

人が人に出来ること 「オレはな、一生懸命生きてる人間に頑張ってほしいし、くじけないでほしいし、オレで役に立つことなら何でも言ってほしいし……人が人に出来ることってのは、それくらいのことじゃないのか?!え?!」(菊地昭夫) ...

恋のためらいSAQ

Q 菊地が勤めるアンティークショップ「アオキ」の定休日は何曜日でしょう。 A 木曜日です。 Q なぜ千里は菊地から「ちわわ」と呼ばれるようになったのでしょう。 ...

はじめに

1997年秋、『東京日和』に先立って、竹中直人主演、岩松了脚本という同じコンビで、TBS系で放映されたのドラマです。『東京日和』を知ったのも、演劇に興味を持ったのもすべてはこの作品がきっかけでした。いわば、ぼくの人生に別の扉を開いてくれた作品といえます。 ...

登場人物紹介

菊地昭夫 この物語の主人公。花の「菊」に地面の「地」昭和の「昭」に夫の「夫」。なぜかチワワにはミシェールと呼ばれる。齢四十にして独身。普通の会社員として生活してきたがひょんなことから会社をやめ、お見合い相手の弘子の経営するアンティークショップで働くことになる。会社員の頃はきつい顔をしていたのが、物語が進むにつれてとてもいい表情になっていったのが印象的。 青木弘子 菊地のお見合い相手。お見合いは断るが、失業した菊地を自分の店に雇い入れる。ファザコンで一年前に亡くなった父親離れがいまだにできていない。 野村千里 15年前にふたまたをかけて菊地をふった女。偶然、娘を連れて菊地の隣にひっこしてくる。菊地には昔からチワワと呼ばれる。というよりドラマの中で千里という名前が呼ばれることはほとんどない。妙なテンションで菊地に迫る。 小池美香 菊地をオヤジ狩りでひっかけようとした女性。歳は20歳。その後菊地と親しくなり、菊地に「最後の恋」といわしめる。Femme fatale。 滝口譲 弘子の恋人。別のアンティークショップの雇われ店長。弘子のいじいじした性格に嫌気がさして別れようとする。ちょっと陰険なところがあるが、誠実で、決して悪い人間ではない。 青木忠治 弘子の父。一年前、イタリアに家具の買付にいったとき船上から海に落ちてしまう。遺体は結局見つからないまま。 坂口俊子 亡くなった弘子の父親の愛人。田端で酒の飲める料理屋を営む。年齢は弘子と同じくらい。父親が生きている間は、その存在を知らなかった弘子は、それを知って悩む。 小野晴彦 学生時代からの菊地の友人。妻子もちだが、弘子に一方的な恋をしてしまう。 のりこ チワワの娘。中学三年生で女優志望。母親の妙なテンションを引き継いでいるが、醒めた目も持ち合わせている。父親は…?。 立花洋介 美香の仲間。美香は洋介のことを愛している。洋介も美香のことが好きなのだが、素直にふるまうことができない。 小池新一 姓が同じため美香の義理の兄を名乗るが、実は嘘で、美香の高校時代の担任。学校を中退して東京に出た美香を追ってストーカー的につきまとう。 ...

カンカラ缶太郎のすべて

『東京日和』の影の主役?カンカラ缶太郎君のすべて。 地下鉄の車内で、二人で食事をした帰りの島津とヨーコに拾われる。 缶けりされながら二人についていき、他人とは思われないほど仲良くなる。 ...

ロケ地めぐり柳川編

福岡にお住まいのウサギさんという方に映画『東京日和』の柳川におけるロケ地の写真を送っていただきました。ご厚意によりこの場で公開させていただきます。(このページの写真の権利はウサギさんに属します) ...

二人の関係

今回は物語を魅力的にしている、主役の二人、島津とヨーコの微妙な関係についてとりあげてみたいと思います。 社会に溶け込みたくない タイトル直後の、島津の自宅に昔の同僚が集まっているシーン。ここでヨーコは客の名前を呼び間違えたことが原因でキレてしまいます。なんか二人の外の世界との関わり方をうかがう上で象徴的なシーンです。 ...

岩松了『東京日和』から竹中直人『東京日和』へ

『東京日和』の脚本は岩松了。でも、岩松了が書いた脚本(『映画日和』[ISBN4-8387-0943-9]という本に収録されています)と映像を比較するとかなりちがいがあります。ちがいといっても、脚本の方にあるシーンが映画ではカットされているというパターンが大部分なのですが、そのちがいをみるだけでも監督竹中直人の意図が浮かびあがってきます。このページではそんなちがいのいくつかを紹介していきます。 ...

ロケ地めぐり東京編

1997年に公開された竹中直人監督の映画『東京日和』はぼくの大好きな映画です。センチメンタルなストーリーもさることながら、全編に映し出される美しい東京の風景を見ているだけで、わくわくするような悲しいような不思議な気分になります。 ...