切断(Iさんへ)

自らを「俗世間代表(笑)」と書かれていらっしゃいますが、書かれている内容を拝見する限りでは「俗世間」という無色のものではなくある特定の立場にたたれていらっしゃるようにみえます。もちろんそれが悪いということはありません。ただ、ご自分が色のついていない中立の場所にいるのではないということをはっきり自覚されたほうがよいように思います。そしてすべてはその立場の違いから来ているのではないでしょうか。

ぼく自身、自分の立場でこの文章を書いていますが、それは当然Iさんとは異なりますし、またそちらのBBSに書かれているほかのみなさんもそれぞれ異なるでしょう。それぞれが自分の立場をもっているのです。失礼を承知でいわせていただくと、ご自分の立場に自信がないから、その正しさを確認するために、あえてかけはなれた立場の人ばかりのBBSに書き込みをなさっているのではありませんか?しかし、「あなたたちの立場は意味がないからオレの土俵で話し合おうよ」と一方的にいわれても、誰も土俵にのるものがいないのは当然でしょう。

話し合いを意味あるものにするためには、互いに相手の立場を認め合うことが必要です。理解できない点があればそれを問いただし、自分の主張のなかで理解してほしいことを的確に相手に伝えるという手順を踏まなければなりません。その結果たとえば今回の問題について理解し合えなかったとしても、また別の問題では何らかの連携(連帯ではなくあえて連携と書きます)がとれることがあるかもしれません。

と自分で書いてて思いますが、これは理想論で、実際には立場のかけはなれた人間同士が部分的にでも理解しあえることはきわめて希なのかもしれません。ただ、「プロ市民」、「サヨ」、「ウヨ」というようなレッテルを一方的にはって、あり得たかもしれない理解、連携の可能性を一方的に切断して、自分が顧慮する範囲から取り除くようなまねは断じてしたくないと思うのです。今、この国では、そういう切断があちこちにあふれています。もし「切断」をしたいのなら、Iさん、あなたのお仲間はたくさんいらっしゃいますよ。そういう意味であなたは一人ではないです。