わからない
小泉氏の靖国参拝が憲法違反であるという判決がくだった。それについて小泉氏は「何で憲法違反か分かりませんね。」とか「何で外交に支障があるのか。日本人が靖国神社に参拝してどうしていけないのか。わかりません」と「わからない」をくりかえしているようだ。
それをいうなら、なぜ靖国神社に「戦没者に哀悼の誠をささげて二度と戦争を起こしてはいけない」ということで参拝するのか、ぼくには皆目わからない。それは縁結びの御利益がある神社で家内安全の祈願をするようなものであって、まるで筋違いなのだ。靖国にまつられているのは基本的に戦死した(病死は含まれない)兵士のみで、勇敢に死んでいった人たちを讃えるとともに守り神になってもらおうという場所だ。そこにふさわしいのは、「死んでくれてありがとう。これからもよろしく」という言葉なのだ。
靖国に祀られている人もそうでない人にも、ぼくが等しく投げかけたいのは「何の意味もなく死んでいった無念に深く同情します。安らかにお眠りください」という言葉で、それは靖国以外の場所でつぶやかれるべき言葉だと思う。というわけで、小泉氏のいっていることはまったくわからないのだった。