3枚の写真

IMGP2092.jpgIMGP2093.jpgIMGP2094.jpg今ひとつさえない3枚の写真。でも今回こいつらのおかげで大いに助かった。

次はどこを歩こうかと過去の記録を検索していたら、歩いたことがあるはずの大和駅近辺がヒットしない。記録によると確かに、大和駅から長津田まで歩いてるはずなのだ。あせった。かなりあせった。大げさだと思うかもしれないが、なにせ1997年から一定距離以上歩いたコースはすべてデータとして残してあるのだ。完全にライフログだ。その一角が崩れてしまうのはとてもやるせないし、しかも同じコースを何度も歩いている都心部の散歩とは違い、このあたりは過去1回だけしか歩いていない。個人的にはとても貴重なデータなのだ。

まずバックアップをあさってみた。2008年11月くらいのデータが見つかったが、そのときには既に失われていた。そもそも記録し損ねたか、あるいはちょうど2008年11月に自宅PC環境の Windows から Mac への移行という歴史的な事業に取り組んだので、そのときに失われてしまった可能性が高い。

あとは記録と記憶を頼りに復元するしかない。しかし、3年近い年月が容赦なく記憶を奪い取っていた。使えるのはまず、ブログの記述。ぼくにしては丁寧に書いている方で、いくつか途中経由した具体的な地名が入っている。大和市役所、町田辻、そして高尾山(横浜市緑区)。距離もわかる。10.2km。

あと途中で撮った写真。それが冒頭に挙げた3枚だ。これらの撮影場所がわかれば、ひょっとすると途中の経路を補完できるかもしない。

一番有望そうなのは錆びた赤い塔。サテライトの地図で探せば原理的には見つけることができるはずのものだ。手を象った巨大な像も、アート関係の工芸所とかだったら、検索できるかもしれない。それらしきものがあったらストリートビューで確認すればいい。地蔵も、運が良ければ検索にひっかかるかもしれない。

工芸所も地蔵も全然ヒットせず。あとは赤い塔に頼るしかない。自分でブログに書いていた「横浜市瀬谷区をかすめすぐに東京都町田市に入る」という言葉にミスリードされて、見当違いの場所を探していたのと(実際はそれなりの時間瀬谷区を歩いていた)、あと、塔が思ったよりずっと低くて目立たないことから、捜索は難儀を極めた。偶然、ほんとうに偶然、消しゴムのかすみたいな赤い点を見つけることができたのだった。思っていたよりそれはずっと小さく地味で、ほんとうに奇跡としかいいようがない。煙突かと思っていたが、自治会館の敷地の中にあったそれは、おそらく火の見櫓のようなものだろう。

ひとつわかればあとは撮影時刻の時間差で類推がつく。ぼくはだいたい1km移動するのに13分かかるのだ。約3分後に撮った地蔵は、以下のストリートビューに写っている。

そして最後に手の像。地蔵から13分後なので、ちょっと探索範囲が広い。写真の右上のビルの上にかすかに黒猫がうつっているのがみえる。クロネコヤマトの配送所をたまたま地図上でみつけて、その近くを探してみたら、ちゃんとストリートビューに写っていた。

この3箇所が特定できたことで、大まかなコースを描くことができた。たまたまコースを特定するのに都合がいい場所だったのだ。距離もあっているし、大きくはちがってないはずだ。すごくうれしい。ほっとした。

使えない写真でも捨てずにとっておくべき、それが教訓。

最後に再現したコースのリンクをはっておく。