名セリフ集
人が人に出来ること
「オレはな、一生懸命生きてる人間に頑張ってほしいし、くじけないでほしいし、オレで役に立つことなら何でも言ってほしいし……人が人に出来ることってのは、それくらいのことじゃないのか?!え?!」(菊地昭夫)
大人の関係
(同級生に学校をやめようとそそのかしたことを、菊地が父親のふりをして謝りにいくことになって、ほんとうに謝った方がいいかどうかを確認すると)
「それは大人同士の関係だから……過保護なのよ、要するに。私、別に、無理矢理誘ったりしてないもん。私、学校やめたいって言ったら、弓子が『わーいいいな』って言ったくらいよ、でもこっちでそんなことを言ったらカドが立つでしょ、だから大人の関係」(野村のりこ)
小さく乾杯
(小さく乾杯といった小野に、弘子がなぜかと尋ねる)
「大きいと気持ちが拡散するし、心がこもってないことが多い。同じ乾杯でもそういう違いがありますね……納得しないでください、四十男のちょっとした…実感ですかね」(小野晴彦)
何にも始まらない
「私、ひどい生き方をしてきたの。高校だって途中でやめてしまったし……どうしてかな、いつも人を傷つけてきたの……好きな男の子だっていたのよ。でも、なぜだろう、わたしのこと好きになるより先に、誰か他の女の子を好きになってみてくれる?って言いたくなっちゃうの……意地悪なの。その男の子がどんな風にその女の子のことを好きになるのか確かめておきたいらしいの、この私が。だから、そう、結局、何にも始まりはしないの。いつもそう。何にも始まらないのよ」(小池美香)
知らない人
(菊地が父親になるならOKというのりこに対して)
「知らない人ってさ……怖いよね……菊地さんのことだって、のりこちゃん知っているから、そう言えるんでしょ?……知らない人だったら、そうは、そうは言えないもん。だって、怖いから……知り合うって大事なことよね……はじめ臆病だった自分がだんだんそうじゃなくなるってことでしょ?だから……私、そう思う……」(青木弘子)
前を向くために
(最後のふんぎりをつけるため、書いたけど出さなかった美香への手紙を燃やしてほしいという小池に対して)
「最後?何を言ってるの!明日があるじゃないの、あなたにも、私のも、そうでしょう?!前を向いて歩くのよ、前を向いてさえいれば、つらいことも忘れられるから!そしてときどき楽しかった過去のことを思い出すのよ!楽しかったことだけ!前を向くためによ!」(野村千里)
人生は…
(サンドイッチを買うのか買わないのか尋ねる店員に対し)
「人生はクイズじゃないぞ……」(小池新一)
ふるまいから生まれる
(弘子に対し)
「ふるまいのひとつひとつを取ってみても、こう……何て言うのかしら、若い芽がふき出すように、新しい生命が、ひとつひとつのふるまいから生まれてくるようだもの」(野村千里)
あるけどないもの
(自分をオヤジ狩りではめたグループのリーダー洋介に対し)
「この年になると、なかなかキミたちのような連中に出会う機会もない。そういう意味では、あの日は画期的な一日だった。あの時ボクは会社を辞めたばかりで……何て言うか……『ああ、こうやって生きてる連中もいるんだ』と思って、何だか勇気づけられた……生きるのにルールなんかないからさ……ま、あるって言えばあるけど、要するに、ないわけでしょ……そうだよね」(菊地昭夫)
見えないから生きてゆける
「でも、人間ってのは、うまくできてる。何しろ自分の姿は見えない。それが最高のしあわせだと思うことがある……四十になっても五十になっても自分は見えない……だから生きてゆける……」(菊地昭夫)
弱いってのは…
(弘子へ)
「お父さまもよくおっしゃってた、他人に何か求めるのは、自分が傲慢だからだ、弱いってのはその傲慢さのことなんだって」(坂口俊子)
仕事
「父はいつも言ってたわ、大事なのは結果じゃない、他人にはわからない、その人だけの喜びだって。それが仕事を支えてくれるものだって」(青木弘子)
変わってゆく時間
野村千里「わたし夢のように時間がすぎてゆく。すぐに五十になるわ。そしてまたすぐに六十に…。さびしいのよ、このまま何も変わらずに時間が過ぎてゆくのが」
菊地昭夫「毎日食べるものがちがうんだ。それだけだって変わってるっていうだろう」