条件法
今回は「もし~」という仮定文をフランス語ではどう表現するかを紹介します。
仮定文
「もし」はフランス語では"si"です。“si"はほかにもいろいろな意味に使われるので、間違えないようにしてください。
siが導く条件節の動詞は未来時制にならないことに注意してください。(S’il fera beau,
…)
条件法現在
“If I were a bird, I could fly.”
のように、英語には、現在と矛盾する仮定を表現するのに、仮定法という特殊な構文がありました。フランス語にも同様な形があります。
ここで si が導く条件節の動詞の時制は半過去です。主節の動詞 volerais の活用が条件法現在になります。(英語の仮定法過去形は条件節の動詞の活用に使うので、仮定法という似通った名前を持ちながらフランス語の条件法とは役割がちがいます)
活用
条件法現在形の活用を紹介します。
語幹は単純未来と同じなので、そちらを参照してください。
語尾は半過去の語尾の前に"r"がつくだけです。
一人称単数 |
二人称単数 |
三人称単数 |
一人称複数 |
二人称複数 |
三人称複数 |
仮定文以外の用法
条件法現在のそのほかの用法を紹介します。
語調の緩和
この場合は「もし、おいやでないのなら」が省略されていると考えられます。
過去の一時点から見た未来
上記の主節の動詞 “dire"を複合過去にすると、
というように従属節の単純未来の動詞は時制の一致で条件法現在形になります。
条件法過去
ついでに条件法過去もやってしまいましょう。いうまでもなく過去と矛盾する仮定を表現するときに使います。語形は以下のとおりです。
パスカルの有名な言葉を例にあげます。
(クレオパトラの鼻:もしそれがもっと低かったら、地球の姿は変わっていただろう)
このように主節の動詞が条件法過去になっています。
条件節の動詞はこの場合前過去形(助動詞の単純過去形 + 過去分詞)になります。単純過去や前過去にはこれまで触れてきませんでしたが、文章中にのみ使われる過去形です。この場合口語では 大過去形(助動詞の半過去形 + 過去分詞)が使われます。(つまり s’il avait été…)
これらの過去形は次回まとめて紹介します。