代名動詞
フランス語の辞書をみていると"se
~“というように動詞の頭に"se"がついた形が見出しになっていることに気がつくと思います。これが代名動詞です。
代名動詞とは、補語となる代名詞が主語と同じ対象を指している動詞のことです。つまり英語でいうと、目的語にmyself,
yourselfなどの代名詞が使われているだけということになってしまうのですが、フランス語の場合はもともとの動詞とは異なる意味をもつので、別の見出しになっています。
辞書の見出しでは"se"がついていますが、主語に応じて、”je“の場合は”me"、"tu“の場合は”te"、"nous“の場合は”nous"、"vous“の場合は”vous“という形をとります。ただし主語が三人称の場合は、補語は性・数に関係なく常に”se“という形になります。
Je m'appelle Paul.(わたしの名前はポールです)
Jules et Jim se détestent.(ジュールとジムは憎みあっている)
もともとの動詞と代名動詞の意味の違いはおよそ次の4つに分類できます。
- 対象が自分自身
- appeler(~を~と呼ぶ)→se appeler(自分を~と呼ぶ)
- 他動詞が自動詞になる
- guérir(~を治す)→se guérir(治る)
- 受身の意味になる
- oublier(忘れる)→s’oublier(忘れられる)
- 相互作用
- aimer(愛する)→s’aimer(愛し合う)
一つの代名動詞が上記の複数の意味をもつこともあります。
主語と補語代名詞が同じ対象を指していて代名動詞だと思ったら、辞書を引くときには、動詞単独の意味ではなく、“se + 動詞"の方の意味を調べるようにしてください。