海猫沢メロン『明日、機械がヒトになる ルポ最新科学』ebook

明日、機械がヒトになる ルポ最新科学 (講談社現代新書)

SR, AI, アンドロイド、3Dプリンター等今ホットなな科学技術の第一人者に取材した科学ルポの形をとりつつ、幼い頃は自分をロボットだと思っていたという筆者の「人間と機械の境界はどこか」という疑問を解き明かそうとした本。インタビューの合間に著者の独白がはさまる構成が斬新だ。

人間にそもそも自由意志というものは存在せず、意識は受動的なもので、他方、機械は従来人間固有のものとされていた能力と柔軟性を休息に身につけつつある。取材する対象から結論は最初からきまっていたようなもので、つまり人間と機械の間に境界はひきようがない。ただ、その結論にいたるまでにもう少し戸惑いというか行きつ戻りつ的な深掘りがあってもよかったとは思う。

キャラがたっているアンドロイド研究者石黒浩さんのインタビューが抜群におもしろかった。