ダグラス・アダムス(安原和見訳)『宇宙クリケット大戦争』
『銀河ヒッチハイク・ガイド』シリーズの第3弾。発表当初は不評だったそうだが、ギャグは笑えるし、物語の伏線にはりかたも見事だ。3作の中で一番おもしろいかもしれない。
原題は"Life, the Universe and Everything"だが、これが関連するのはエピローグだけだ。邦題のほうが妥当だろう。邦題通り、今回はクリケットというスポーツがストーリーに関連してくる(ルールを知らなくても特に問題ない)。訳者あとがきで簡単にクリケットの遊び方が紹介されていたが、野球のバッターに相当する人が二人いて、彼らの役割は攻めるのでなく守ること、でも走ると点が入るという、ちょっと荒唐無稽なスポーツなのだった。一度試合の模様をみてみたい。