斜線堂有紀『さよならに取られた傷だらけ 不純文学』

斜線堂有紀が、デビュー直後の無名時代、友人との賭けで100日間連続でSNSに投稿した掌編小説がベースになっている。収録作はなんと250編。すべての作品は高校の同じ部活の「先輩」と「後輩」の運命的な関係性を軸としていて、同じ設定の中でどこまで物語が変奏可能かを試しているかのようだ。ただ、作者はこの“定型”の枠組みを崩さないことに注力している。あくまでその枠組みのなかで変奏してるのだ。時を超えた愛、あるかなきかの生死の境界、スプラッタ展開などその後の斜線堂作品の要素が詰め込まれている。 ...

斜線堂有紀『楽園とは探偵の不在なり』

特殊設定ミステリーという言葉をはじめてみた。最近現実に世界にありえない特殊な設定のミステリーが増えてきて。ジャンルを形成しつつあるらしい。 ...