佐藤亜紀『バルタザールの遍歴』

ちょっと間があいてしまったが2冊目の佐藤亜紀。最新作から読み始めたが、いったん処女作に戻ることにした。他の作品を知らないので偶然と言っていいかどうかわからないが、『スウィングしなけりゃ意味がない』同様ナチが絡んでくる話だ。 ひとつの身体に2つの人格、バルタザールとメルヒオールが同居...

佐藤亜紀『スウィングしなけりゃ意味がない』

はじめての佐藤亜紀。旧作から読んだほうがいいかとちょっと迷ったが、結局最新作の本書から読むことにした。 舞台はドイツの港湾都市ハンブルク。1924年生まれの主人公の少年エディ(エドゥアルト・フォス)の十代後半(15歳から19歳まで)が描かれる。それは第二次世界大戦とちょうど重なり合...