小川哲『君のクイズ』

賞金1000万円をかけたクイズ番組の一対一の決勝戦。まだ問題が一言も読まれないうちに対戦相手本庄がホタンを押し、正解してしまう。しかも回答は「ママ、クリーニング小野寺よ」というものだった。敗れた三島は納得できず、なぜ本庄が正解できたのか、その理由を探っていく。 小川哲さんは基本SF...

小川哲『嘘と正典』

長いことぼくにとって小川哲さんは小説家ではなく村上Radioプレスペシャルのラジオパーソナリティーだったのだが、はじめて作品を読んでみた。 小説家を分類するには何に忠実かということをみればいいと思っていて、倫理感や思想性、文体を含めた詩情、SFというジャンルならジャンル特有の世界観...