『ピローマン』

とある独裁国家の警察の取調室が舞台。売れないショートストーリーを書きためているカトゥリアンはトゥポルスキ、アリエルという二人の刑事の取り調べを受けている。最初カフカ『審判』のような不条理な告発かと思うが、カトゥリアンの書く陰惨な物語をまねた子どもの連続殺人事件が起きていることがわかり、別室でカトゥリアンの兄ミハエルも取調べされており兄弟二人でやったと自供したと聞かさせる。カトゥリアンは物語の執筆を促されつつ、兄の存在を知らないまま毎夜拷問されている声を聞かされる。それで生み出される陰惨な物語が両親の実験の成果なのだった。そのことに気づいたカトゥリアンは14歳の時に両親を殺害したのだった。ミハエルは虐待が理由で知的機能に遅滞がある。 ...

こどもとおとなのためのお芝居『暗いところからやってくる』

母と姉と共に祖母が住んでいた古い家に移り住むことになった中学生の輝夫。家がきしむ音や、大きなクモ、何かいる気配におびえる輝夫が、夜一人でマンガを読んでいると姿は見えないのにすぐそばで男の声が聞こえる。それは暗闇にひそみ人間を観察する使命をおびた種族の一人で、いずれ人間のすむ世界にいくつもりだといい、自分と話したことは誰にも言ってはいけないという……。 ...

イキウメ『ミッション』

初のイキウメ。 将来を嘱望される若きエリート会社員清巳は自宅の裏山から落ちてきた石に頭を直撃されしばらく会社を休み、その間に仕事からはずされてしまう。そんな中、清巳の一家と長いこと疎遠で、しばらくぶりに見舞いに訪れた叔父怜治の生き方に惹かれ、彼のもとに足繁く通うようになる。怜治は専業主夫で、ボランティアで引きこもりの若者たちに何やら教えている。世界からの呼びかけを聞き取り、そこから読み取った衝動のままに行動すれば、世界の調和が保たれるというのだ。怜治自身子供の頃からそれを信じていていまだに実践している。清巳は仕事をやめることを決意し、怜治の存在が清巳の一家に徐々に動揺させていくさなか、彼の教え子のひとりが事件を起こす。そして町にはこれまで例のない長い雨が降り続く……。 ...