ダロン・アセモグル、ジェイムズ・A・ロビンソン(鬼澤忍訳)『国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源』

訳書は上下巻に分冊された大部だが、伝えている主張はこの上なくシンプルだ。ほとんどの紙幅は実例を挙げての検証に費やされている。その主張は、繁栄する国家と衰退する国家を分けるのは、地理的要因でも文化でも、知識の有無でもなく、制度である、と一文で表現できてしまう。 制度といってもいろいろ...

ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド(上杉周作、関美和訳)『FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』

枕として、世界の現状に関する13の簡単な設問があり、それに答えてみてくださいと、言われる。ぼくは本書の性格を知った上で答えてしまったので、8/13とまあまあの正解率だったが、世界的に識者やエリートであってもランダムに選んだより正解率が低いらしい。その原因を分析、考察して10の人間...