東浩紀『ゲンロン0 観光客の哲学』

「観光客の哲学」といわれるとバブルの頃はやったような凡俗な消費社会肯定論の亜種を想像してしまいそうになる。しかし「観光客」とは「他者」のことだ。リベラリズムが常に訴え続けてきた「他者を大事にしろ」というポリシーが通用しなくなりつつあるなか、従来まじめな哲学考察の対象とされてこなかった観光客というあり方を通して他者論=リベラリズムの復活を試みた本だ。 ...

東浩紀『クォンタム・ファミリーズ』

夢中になって、一気に読んでしまった。 東浩紀自身の分身のような哲学者・批評家・小説家葦船往人とその家族たちがパラレルワールド間を行き来し、時代を飛び越え、新たな家族の絆を模索する本格SF(Speculative Fantasy)。量子回路のネットワーク、人間の意識を媒介にしたパラレルワールドというSF(Science Fiction)的な道具立てもさることながら、描かれている並行や未来の世界のリアルさは東浩紀の面目躍如たるところ。そこまでは予想通りだったが、物語を語る力の強さに驚いた。東浩紀は、詩人ではなくストーリーテラーだった。 ...

思想地図 vol.1 特集・日本

東浩紀、北田暁大両氏編集による論文誌の体裁をとった書籍あるいは、書籍の皮をまとった論文誌。第一弾は「日本」という一見とらえどころのなさそうなテーマだが、大きく、ナショナリズムと公共性の問題、およびサブカルチャーという二つの核をめぐる論文、討議録が掲載されている。 ...

東浩紀・北田暁大『東京から考える―格差・郊外・ナショナリズム』

日々東京を歩き回っているぼくにとって、東京の街について語られる言葉は他人事としてはきけなくて、まるで「家族」の話をされているような微妙な感情をいだいてしまう。 ...

東浩紀『郵便的不安たち♯』

文芸、サブカルチャー、それにデリダ、ジジェク、柄谷行人など思想家に対する批評、その「批評」というものをとりまく現状分析、講演、エッセイなどバラエティに富んだ、一冊まるごと東浩紀的な本。 ...

東浩紀『動物化するポストモダン―オタクからみた日本社会』

『自由を考える』は対談だったので、東浩紀の考えをいまひとつとらえきれなかった。その物足りなさを補うためこの本を買った。 内容はオタク系(サブカル系)の文化を分析して、そこから90年代以降の現代日本社会が向かっている「動物化」という現象をみていこうというもの。論旨を簡単にまとめてみる。 ...

東浩紀・大澤真幸『自由を考える―9・11以降の現代思想』

最近よく名前を聞く東浩紀の本を一度読んでみたいと思って、書店の棚に積んであったのを手に取ったのだが、最近出たばかりでかなり売れているらしい。 ...