正直 BOOK 2 はあまり楽しめなかった。BOOK 1 では思う存分羽ばたいていた想像力の翼が、村上春樹自身がリーダーの預言に支配されたかのように、普遍化することの不可能な、青豆と天吾二人の特殊な愛の物語に縮まってしまったように思えたからだ。とはいえ、「BOOK 3はたぶんない」と書いたのにBO...
日本語が母語でよかった。 上下巻でなくBOOK 1、BOOK 2 なのはひょっとして BOOK 3 がありうるということを示しているのではないかと思ったが、これは、小説の中で言及されるバッハの平均律クラヴィーアの構成を模倣しているためだった。平均律クラヴィーアは、24の前奏曲とフーガがメジャー、マイ...