再演らしい。 とあるオフィスの一室が舞台。女性スタッフ6人がいれかわりたちかわり入退室する。異常に気づくのは最近入社した新人ユウコだけだ。自動ドアでないドアがしばらくすると勝手に閉まるのだ。いやいやそれでもデンジャラスは言い過ぎでしょうと思ったていたら、驚愕のスプラッタホラー展開へ・・・・・・。 ...
ダンスを見てると言葉と別の手段でなにかが伝達されているのを感じる。それはつまりコミュニケーションで、ダンスと演劇の共通点はこれまで思っていた以上に多い気がする。 ...
『のらじお』というPodcastで紹介されていなかったら一生読むことはなかった作品。 エリートサラリーマンの道を捨て零落してアマ=兵庫県尼崎市に流れてきた主人公生島。彼はスラム街のアパートで腐りかけの臓物に串を通す作業をして日銭を稼ぐことになる。 ...
なんと柴崎友香作品を読むのは初めて。作品を映画化したものはいくつかみたが、そのときの印象では、日本を舞台にして現代日本の文化に根ざしている感じだった。本作は探偵が主人公で自分の部屋に帰れないと設定がぼくの大好きな不条理系だったので読んでみようと思ったのだ。 ...
脚本も演出も日台共同とのこと。日本語と中国語がちゃんぽんで語られるが相互に理解可能という設定。 銭湯の廃墟が、戦死した兵士たちを慰めるための風俗店として再利用されている。この銭湯の舞台装置がすばらしい。規則に従い彼らはここで「プレイ」に参加する。彼らが今生に残した未練を解放するのが目的らしい。たまたまか、この夜参加した4人の男たちはみな女性に関する未練をもっていた。ひとりは幼い娘とあまり触れあえなかったことを後悔し、ひとりは病気の妹を自分の手で安楽死させたことを気に病んでいる。残りの2人は同じ女性を愛していてお互いを恋敵だと思っている。 ...
場末の小劇場でドン・キホーテを演じていた老俳優が、自らがドン・キホーテであると思い込み、遍歴の旅に出てしまって困り果てている劇団の面々に診療所のナース名乗る女性から電話がかかってくる。行方不明の老俳優ヘンリー・クリンクルを保護しているというのだ。この冒頭部は文句のないおもしろさで、その先の展開を期待したが…… ...
「宝石のエメラルド座」というのは作品のタイトルの一部かと思っていたが、実際には団体名のようだ。実体があるわけではなさそうだが、名前を掲げることで今後の公演がやりやすくなるのかもしれない。かつての「演劇弁当猫ニャー」と比べると、まさに180度の転換である。 ...
女性主人公でディストピアが舞台というコンセプトのSF短編集。文庫化された直後に読もうと思ったが後回しになっていた。 『六十五歳デス』は65歳前後で発症して確実に死亡するウイルスに全人類が感染している世界。世代と血縁を越えた女性たちのつながりとか、死を受容するための条件とかいろいろ考えさせる作品だ。一番物語として完成している。ふくらませれば長編にもなりそうだ。 ...
アメリカ・感謝祭の日に再会する一家の物語。 郊外に暮らすエリックとディアドラ夫妻、認知症の祖母モモ、長女エイミー、そしてニューヨークで歳の離れた恋人リックと暮らす次女ブリジッド。彼らが小さなアパートに集い、穏やかな祝祭ムードで始まるが、物語は次第に不穏な空気を帯びてゆく。 ...
しばらく読書してなかったのでリハビリのつもりで、気軽に無料で読めるこれを選んだ。分量的にも長編というより中編に近い。 出版は戦後の1946年だが、1936年の雑誌連載が初出のようだ。まだ日中戦争も始まってないので、戦争の影は作品の中には出てこない。 ...