城山羊の会『ワクチンの夜』

ワクチンの夜

2018年12月以来の城山羊の会。前回のときにしばらくおやすみといわれてさみしく思っていたが実は昨年末も公演があったらしい。教えてほしかった。

ワクチンをうった日の夜というのは考えてみると特別なシチュエーションだ。副反応の可能性があって多少のことは大目に見てもらえそうだしそれが一種の解放感を生む。

今回の中年夫婦も接種後ふだんしない散歩をして家に帰ってきて疲れた妻に早速副反応があらわれ発熱する。この家のほかの家族は学生の息子と夫の父親。そこに息子の後輩の男女2人がやってくる。彼らもちょうど今日ワクチンをうったところだ。登場人物が少なめで物語としては振幅の低いところにワクチンがもたらした揺らぎが増幅してゆく。

劇場職員の森元さんの前説、あいかわらず味があっていい。今回も殺されたりはしなかった。

作・演出:山内ケンジ/三鷹市芸術文化センター星のホール/自由席3800円/2021-12-04 19:00/※※※

出演:岩本えり、岩谷健司、朝比奈竜生、岡部たかし、中山求一郎、春原愛良