ナイロン100℃『イモンドの勝負』

イモンドの勝負

ナイロンとしては3年ぶりの新作公演とのこと。今回は徹頭徹尾100%混じり気なしのナンセンスコメディー。主人公は鈴木タモツという持病をもつ少年(でも39歳)で、実の母親に保険金目当てで殺されそうになるが助かって孤児院に入る。そこを訪ねてきた政府関係の組織の会長に見初められ、近々開催される世界の強者が競う大会に地域代表として参加することになる。出場予定の選手は謎の円盤に攫われてしまったのだ。それと並行して探偵が自分に依頼されるはずの4つの事件を追って探索し、図書館を経て孤児院にやってくる。

前半休憩直前まではナンセンスの車輪がフル回転でめくるめく展開でわくわくした。それは休憩直前で失速してそれ以上話が広がらず、それまでの物語の落ち穂拾いになってしまうんだけど、まあ仕方がない。前半だけでも見る価値がある。

ナイロンの主要な役者の顔を久しぶりに近くで見ることができてよかった。客演の3人もすばらしい。

作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ/下北沢本多劇場/指定席7600円/2021-11-27 18:00/※※

出演:大倉孝二、みのすけ、犬山イヌコ、三宅弘城、峯村リエ、松永玲子、長田奈麻、廣川三憲、喜安浩平、吉増裕士、猪俣三四郎、赤堀雅秋、山内圭哉、池谷のぶえ